病院、診療所の開設と廃止

さて、医療法人設立の認可が無事に下りましたら、次は病院(診療所)の開設の手続きに入ることになります。この開設についても許可が必要で、申請窓口は病院(診療所)所在地を管轄する保健所になります。

なお、病院(診療所)の開設には、

  1. まったく新規で病院(診療所)を開設する場合
  2. これまで個人病院(診療所)で開業していたものを、医療法人として運営していく場合

の2通りがあります。つまり現在病院がある場合でも、新規に開設する許可を取る必要があります。

病院(診療所)の開設許可申請に必要な書類
書 類 名 称
備             考
病院(診療所)開設許可申請書
 
定款または寄附行為
都道府県知事の許可証の鏡
登記事項証明書  
管理者の医師あるいは歯科医師の免許証の写し
原本を持参
管理者の医師あるいは歯科医師の免許証の履歴書
 
診療に従事する医師、歯科医師、薬剤師、助産師の免許証
原本を持参。不要の場合があります
診療に従事する医師、歯科医師、薬剤師、助産師の履歴書
不要の場合があります
土地及び建物の登記事項証明書
 
土地及び建物の賃貸借契約書の写し
原本持参。賃貸借期間は10年以上あることが望ましく、賃貸借について登記されているとなおよいとされています
敷地の平面図
 
敷地周辺の見取図
 
敷地求積図
 
建物の平面図
縮尺100分の1以上
従業員名簿
 
建築確認済書
原本を持参。新築の場合は必須
建築・消防の検査済書
原本を持参。開設予定の建物が古く検査済書が見つからない場合は保健所に相談
申請手数料
18,000円(助産所は11,000円) 都道府県により異なる場合があります



病院(診療所)の開設許可が下りましたら、次は病院(診療所)の開設届と個人病院(診療所)の廃止届を同時にします。このとき、開設日と廃止日は同じ日付でなければなりません。申請窓口は保健所です。


最後は保険医療機関の指定、登録です。これは、病院(診療所)の所在地を管轄する厚生局(その地方事務所)が申請窓口になります。だいたいですが、当月の20日までに申請をすると、翌月1日から保険診療が可能になります。


熊本県の保険医療機関等の指定申請窓口

九州厚生局 熊本事務所

〒860-0806  熊本市中央区花畑町4−7 朝日新聞第一生命ビル4階

電話  096−284−8001



→病院(診療所)の分院、移転手続き

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病院(診療所)の分院、移転手続き

医療法人を設立した後で、病院(診療所)をもう1つ開設したり、移転したり、役員が代わるケースも考えられます。ただ、医療法人の定款(または寄附行為)には、法人の名称、開設する病院(診療所)の名称、開設場所などを記載することになっています。ということは、病院(診療所)の分院開設や移転は、すなわち定款(または寄附行為)の変更を意味することになりますので、主務官庁(都道府県または厚生労働大臣)の認可が必要となります。

それではここからは医療法人の定款変更に関する手続きについてご紹介します。

医療法人の名称変更

医療法人の名称を変更する際は、新規に法人を設立する際と同様に、既存の医療法人と類似した名称を法人名としたり、取引会社等関係する会社の名称を用いたりすることはできません。この名称の変更に際しては、担当の主務官庁(都道府県や地方厚生局)との綿密な打ち合わせが必要となります。

医療法人の役員定数の変更

医療法人が発展してゆく過程で、役員を増員しようとする場合、定款に定めた役員定数が不足する事態も起こりえます。また、新規に診療所を開設する場合、その開設する診療所の管理者は、原則的に理事に加えなければなりませんので、理事の定員が不足する事態が起こります。
この場合も、社員総会で役員定数を増加する決議をするのみでは、効力が発生せず、主務官庁の定款変更認可が必要となります。

新規診療所開設(分院)

医療法人が新たに分院を開設する際は、定款において定めている、開設している病院・診療所の名称・開設場所についての部分を変更しなければならず、この定款変更については、社員総会における議決後、主務官庁の認可を受けなければなりません。分院開設の流れは以下のようになります。

 

分院開設計画の立案

都道府県(または地方厚生局)に事前相談
 
分院開設のための定款(または寄附行為)の変更案作成
 
分院開設のための定款(寄附行為)の変更を社員総会(評議員会)で議決
 
分院開設の定款(寄附行為)変更認可申請
 
分院開設の定款変更認可
 
保健所への分院開設許可申請
法人の変更登記申請
   
保健所から分院開設許可が下りる
変更登記の完了
 
保健所へ開設届
登記完了届を主務官庁に提出
 
診療開始


以上のように、分院の開設のための定款変更認可申請から、分院における診療を開始するまで、約3ヶ月から4ヶ月程度の期間を要します。また、分院を開設する際には、主務官庁の担当者との綿密な事前相談が必要となります。定款変更認可申請に添付する書類も、予算書・事業計画、賃貸借契約書等多くの書類を求められますので、計画から診療開始までは、約6ヶ月から8ヶ月程度を要します。

既存診療所(分院)の廃止

分院の廃止についても、先に述べた診療所の新規開設と基本的には同様の手順で手続は進みます。

 

分院廃止の計画
 
都道府県(または地方厚生局)に事前相談

分院廃止のための定款(または寄附行為)の変更案作成
 
分院廃止のための定款(寄附行為)の変更を社員総会(評議員会)で議決 
 
分院廃止の定款(寄附行為)変更認可申請
 
分院廃止の定款変更認可
   
分院での診療終了
法人の変更登記申請
   
保健所に診療所廃止届出
変更登記の完了
   
 ― 登記完了届を主務官庁に提出


以上のように、分院の閉鎖のための定款変更認可申請から、分院における診療を廃止するまで、約3ヶ月から4ヶ月程度の期間を要します。場合によっては、さらに長期間を要する可能性もございます。また、分院を廃止する際には、新規開設と同様に主務官庁の担当者との綿密な事前相談が必要となります。特に、地域医療の重要な部分を担う保険診療を中心としている病院・診療所の場合は、主務官庁の担当者との綿密な打ち合わせを要しますし、その際には廃止の明確な理由の説明が求められます。

既存診療所の移転

既存診療所の移転は、手続的に、既存診療所の廃止と新規診療所の開設の2つの手続を同時に行うこととなります。

 

診療所移転計画の立案

都道府県(または地方厚生局)に事前相談

新規診療所開設、既存診療所廃止に関する定款(寄附行為)の変更案作成

新規診療所開設、既存診療所廃止に関する定款(寄附行為)を社員総会(評議員会)で議決

新規診療所開設、既存診療所廃止に関する定款変更認可申請

新規診療所開設、既存診療所廃止の定款変更認可

保健所へ新規診療所開設許可申請
法人の変更登記申請

 
保健所から新規診療所開設許可が下りる
変更登記の完了

 
 保健所へ開設届と廃止届を提出 登記完了届を主務官庁に提出

 
 診療開始  ―


以上のように、診療所の移転のための定款変更認可申請から、診療を開始し、これまで診療してきた診療所を廃止するまで、約5ヶ月から6ヶ月程度の期間を要します。また、診療所の開設と廃止を伴いますので、主務官庁の担当者との事前相談も長期間に渡り行われ、特にこれまで地域医療の重要な部分を担ってきた診療所については、移転についての必要性を、充分に説明しなければならないと思われます。
定款変更認可申請に添付する書類も、予算書・事業計画、賃貸借契約書等多くの書類を求められますので、計画から診療開始までは、約8ヶ月から10ヶ月程度を要します。

主たる事務所の移転、従たる事務所の設置・移転

これまで定款に記載した事項に変更を加える場合は、社員総会にて定款の変更を決議するのみでは効力が発生せず、その後に主務官庁の認可が必要な場合を見てきましたが、定款に記載する事項であっても主務官庁の認可を要しない変更もあります。

医療法人の「事務所の所在地」について、医療法は定款に記載しなければならないと規定しています。しかし、その変更については認可を要する定款変更の例外として、医療法施行規則によって認可を受けなくとも効力が発生するものと規定されております。

手続の流れとしては以下のようになります。

 

事務所所在地に関する定款(寄附行為)の変更案を作成
 
社員総会(評議員会)にて、事務所所在地に関する定款(寄附行為)変更を議決
 
主たる事務所の移転、従たる事務所の設置・移転の登記申請
 
登記の完了
 
定款変更届を主務官庁に提出


しかし、一般的に、事務所の所在地は、病院・診療所の開設場所と同一となります。事務所の所在地と病院・診療所の設置場所を別にする場合、事前又は事後に主務官庁に対し、その理由を説明するよう求められることがあります。病院・診療所の運営上、及び、主務官庁・管轄保健所との連絡を密にするという観点からも、運営する病院・診療所の開設場所と事務所の所在地は、同一とすることが望ましいといえます。


→その他の変更手続きと代行報酬

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その他医療法人の変更手続きと代行費用

医療法人の経営においては、これまでご紹介してきた病院(診療所)の開設、廃止、移転、分院の開設などの他にも次のような変更に伴う手続きや報告義務があります。

役員変更
理事、監事等が任期満了によって退任したり、辞任・解任、又は新たに改選、増員、補欠等により理事長、理事、監事に選任された場合は、その変更届を都道府県知事もしくは所管の地方厚生局長に提出する必要があります。
任期満了による退任、改選
一般的な医療法人の定款(寄付行為)においては、役員(理事・監事)の任期は2年と定められています。これは、医療法人の運営は社員の意思に基づいて行われますが、現実の業務を処理や、業務や財産状況の監査等は、それぞれ社員総会で選任された理事や監事が担うこととなります。したがって、これら役員の選任は、社員の意思を実現する重要な機会となり、その機会はできるだけ多く設けられ、社員の意思ができるだけ直接反映されたほうが社員の利益となります。一方で、任期を短期間に設定しますと、選任された役員が長期的な視点に立った医療法人の運営が困難となるおそれがあります。そのため、モデル定款・寄付行為(厚生労働省の作成した医療法人の定款・寄付行為の作成例。通常はこの例に沿って定款・寄付行為を定めます)においては役員の任期を2年と定めています。

理事又は監事となっている方が退任し、他の方が理事又は監事として就任した場合は、役員変更届を添付書類と共に提出します。役員が全員重任(理事又は監事として同じ方が再任されること)した場合には届出は必要ありませんが、下表のように理事長は登記されているため、登記完了後、登記事項の届出が必要となります。
氏名の変更
役員(理事長・理事・監事)が婚姻・離婚、養子縁組等で氏名の変更が行われた際は、氏名変更の届出を行います。
住所の変更
役員が住所を移転した場合も、変更の届出を行います。特に、理事長の住所は登記事項となりますので、変更の届出後、法務局にて変更登記を行い、登記完了後、主務官庁に対し登記事項の届出を行います。
資料作成・提出義務
監事への資料提出
理事は、毎会計年度終了後2ヶ月以内に、事業報告書・財産目録・貸借対照表・損益計算書を作成し、監事に提出しなければなりません。
資産総額の変更登記
理事は、毎会計年度終了後2ヶ月以内に資産総額の変更登記も行います。登記完了後は、登記事項の届出を行います。
監査報告書作成
監事は、毎会計年度終了後3か月以内に監査報告書を作成し、社員総会又は理事に提出しなければなりません。
主務官庁への届出
事業報告書等と監査報告書は、毎会計年度終了後3ヶ月以内に主務官庁に届け出ます。
各種変更手続きに関する登記と届出の関係
変更事項
届出義務
登記義務
登記完了届出義務
理事長
就任・退任・辞任



再任(重任)
×


理事・監事
就任・退任・辞任

×
×
全員再任(重任)

×
×
事業報告書

×
×
監査報告書

×
×
資産総額
○(事業報告書を通じて)


 

医療法人設立後の手続きに関する代行費用
サ ー ビ ス 内 容
報 酬 額
病院(診療所)の開設許可申請
200,000円〜
病院(診療所)の分院開設認可申請
500,000円〜
病院(診療所)の移転認可申請
500,000円〜
病院(診療所)の分院廃止認可申請
500,000円〜
医療法人の定款変更
100,000円〜
病院(診療所)の開設届  50,000円〜
病院(診療所)の廃止届
50,000円〜
理事長の変更手続き
50,000円〜
役員の変更手続き
50,000円〜
事業報告書作成
50,000円〜
登記についての司法書士報酬
別途お見積り

※ 弊所の報酬には別途消費税がかかります。

 

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